珈琲豆はたとえ同じ品種であっても、生産国の珈琲農園ごとの区画単位の土壌や気候、栽培から収穫後の精製や品質管理よって、全く異なる味わいのものとなります。
インド
インドは紅茶の需要が高かったことや、コーヒーノキの病気が蔓延してしまったことから多くの農園が紅茶の栽培に生産を乗り換えました。それでも珈琲栽培が一掃されることはなく、残った農園のなかで耐性品種の開発にも成功しているそうです。
インドは気候条件や標高の関係から、一般的には品質が劣ると言われているロブスタ種の生産に力を入れていますが、他のどの国より手入れや配慮が行き届いていることから最高品質のロブスタ種の生産国としてロブスタ珈琲市場を独占しています。
インドの珈琲豆固有の処理方法に、「モンスーン処理」というものがあります。重厚なコクと少しピリッとするようなスパイシーなフレーバーが特徴です。このモンスーン処理ですが始まりはただの偶然で、インドが英国の植民地時代だったときに遡ります。英国に船で輸送する際に、木箱に入れた珈琲の生豆がモンスーンの季節のあいだ降雨にさらされ蒸れたことで、珈琲豆に独特な香味がついてしまったことが始まりでした。当時はただの被害と思ったでしょうが、これが意外にもウケて需要がどんどん高まっていったというのがルーツだそうです。