珈琲豆について

モコモコ膨らむ珈琲を楽しみたいときは

 もしあなたが焼きたての珈琲豆を欲しい場合は、店員さんに「焙煎日」を聞いてみましょう。焙煎日とは「珈琲の生豆が焙煎された日=製品化された日」のことです。焙煎日は店内ポップに書いていてくれている場合もありますが、たまにクローズにしているお店もあります。「ハンドドリップでモコモコ泡立つ珈琲が見てみたい!」「ふんわり豊かに香る珈琲の匂いを楽しみたい!」といった方には焼きたての珈琲豆がぜひともお勧めですので、焙煎日の分かるお店のものを選びましょう。

 「珈琲豆の賞味期限」についてはよく聞かれる質問ですが、豆の状態での保存で二週間ほどでしょうか。もちろん一か月後・二か月後であっても美味しくお召し上がり頂けますが、風味はゆるやかに減少していくことが多いと思っておいてください。粉に挽かれた状態ですと香味成分が空気にさらされ、風味の持ちは急激に下がります。粉で購入されて消費もそれなりに時間がかかるようでしたら(だいたい二週間以上)、購入後はすぐに冷凍保存されるのもお勧めです。冷凍庫から取り出す際は、珈琲豆の天敵である結露にお気をつけ下さい。すばやく出し入れするか、一杯分づつ小さいタッパーに小分けしましょう。

 朝に大好きな珈琲の香りに包まれて、カップケーキのようにモコモコと膨らむ珈琲の泡を目にすれば、それだけで最高の一日のはじまりです。

ハンドソーティングとは

 自家焙煎店の特徴的な業務の一つに「ハンドソーティング」と呼ばれる作業があります。これはカンタンに言うと、風味の良くない傷んだ珈琲豆をひたすら手で取り除いていく作業の事です。珈琲豆は農作物なので、未熟なものや発酵してしまったもの、カビが生じてしまったものや虫食いのものが一定程度混入しています。銘柄によって混入率はかなり違いますが、ほとんど手をつけなくてもいいくらいに綺麗なものや、全体的にある程度ダメージを負っているものもあります。後者は石や木片などが度々混入しており、選別にとても時間がかかるものもあります。

 取り除く傷んだ珈琲豆は、一回のハンドソーティングでなんと数千粒に及ぶこともあります。つまり目で選別し、手で摘み取る作業を数千回繰り返すということです。私の知っている自家焙煎店のオーナーは、一粒一粒とても丁寧に選別されていて、用意が出来なかった分はたとえお願いされてもお渡ししないそうです。適当に用意したものをお渡ししてしまうと、一日中モヤモヤしてしまうからとのこと。年老いて満足に選別が出来なくなってしまったら引退するとまでおっしゃっていました。

 ただここは同じ自家焙煎店であっても、選別に割く時間にはかなり開きがあります。なかには薄利多売で大量に焙煎するため、ほとんど目を通さないところもあります。

 機械選別も可能なのですが何百万円とするものですので、アナログで選別するお店が圧倒的に多いようです。珈琲の味の為とはいえかなり根気のいる作業なので、ここまで手を尽くす自家焙煎店は確かに変かもしれません。とはいえそこまで突き詰める人が一定数いるということも、珈琲が持っている深い魅力故なのもしれません。

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